
いびきのセルフチェック時代へ。スマートウォッチが注目される理由
「最近いびきがひどいと言われたけど、自分では気づけない」
「いびきが健康に関係あると聞いて不安」
そんな悩みを抱えている方が増える中、手軽に自分のいびきをチェックできる方法として注目されているのが、スマートウォッチによるいびき測定です。
これまでいびきの確認といえば、家族に指摘されるか、専門クリニックで検査を受けるしか方法がありませんでした。しかし現在では、スマートウォッチを使えば毎晩のいびき傾向や睡眠の質を手元で可視化できる時代になっています。
特に、Galaxy WatchやFitbit、Apple Watchなどの主要ブランドでは、いびき検出機能や睡眠データの詳細な記録に対応したモデルが登場しており、健康意識の高い人々の間で人気を集めています。
この記事では、「スマートウォッチで本当にいびきが測れるの?」「どんな製品がおすすめ?」「正確性や注意点は?」といった疑問に答えながら、いびき測定に強いスマートウォッチの選び方と活用法をわかりやすく解説します。
スマートウォッチでいびきは測れる?基本機能と対応製品
近年のスマートウォッチは、単なる歩数計や心拍計にとどまらず、睡眠の質や呼吸状態までモニタリングできる高機能なウェアラブルデバイスへと進化しています。中でも注目されているのが、「いびき検出」機能です。
いびき検知の仕組みとは?
スマートウォッチ単体ではいびきの“音”を直接検出することは難しいのですが、多くの場合は以下のようなスマートフォンとの連携で、いびきの兆候を記録します。
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マイク連動型:スマホをベッド横に置き、マイクがいびきを検知(例:Galaxy Watch+Samsung Health)
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生体データからの推測:心拍数・酸素飽和度の変動、体の動きから呼吸障害の可能性を予測(例:Fitbit、Huaweiなど)
つまり、スマートウォッチとスマホアプリを組み合わせることで、より正確ないびきの傾向や睡眠の質を分析することが可能になります。
対応アプリも重要なポイント
いびき測定には、以下のようなアプリがスマートウォッチとの連携で活躍します:
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Samsung Health(Galaxy専用):いびき録音+睡眠ステージ分析が可能
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Sleep Cycle(iOS/Android):Apple Watchと連携し、いびきと睡眠サイクルを可視化
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SnoreLab(iOS/Android):いびき音の強さ・頻度・傾向を詳細に記録
これらのアプリは、いびきの「量」と「音質」の記録を行えるため、医師に相談する際の客観的データとしても活用できます。
おすすめのいびき測定対応スマートウォッチ5選
いびきのセルフチェックを目的としたスマートウォッチ選びでは、いびき検出に対応しているか、睡眠データの精度が高いか、専用アプリとの連携がスムーズかが大きなポイントになります。ここでは、いびき測定に強いと評価されるスマートウォッチを5つ厳選してご紹介します。
1. Galaxy Watch6 / 5シリーズ(Samsung)
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いびき検出:◯(音の録音+睡眠連動)
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連携アプリ:Samsung Health
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特徴:スマホのマイクを使っていびきを録音・検出し、睡眠ステージと重ねて分析。自分のいびきを音声として確認できる機能が人気。
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対応スマホ:Android(特にSamsung製と相性◎)
2. Fitbit Sense 2 / Versa 4
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いびき検出:△(直接検出機能はなし、睡眠呼吸スコアで間接的に判定)
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連携アプリ:Fitbitアプリ(有料Premium版で詳細解析)
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特徴:睡眠中の呼吸変化や酸素飽和度を分析し、「いびきの可能性」や「睡眠中の異常呼吸」を推定する。呼吸の乱れをグラフで確認可能。
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対応スマホ:iOS / Android 両方対応
3. Apple Watch Series 9 / SE(+iPhone連携)
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いびき検出:△(本体機能は非対応、外部アプリで補完)
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連携アプリ:Sleep Cycle、SnoreLab など
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特徴:Apple Watch単体ではいびき検出ができないが、iPhoneのマイク機能と連携アプリを活用すれば、詳細ないびき記録が可能。
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対応スマホ:iPhone専用
4. Huawei Watch GTシリーズ / Band 8
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いびき検出:△(呼吸質スコアで間接評価)
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連携アプリ:Huawei Health
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特徴:心拍・呼吸・血中酸素をトラッキングし、呼吸の質や異常呼吸を検知。いびきに直接関係するわけではないが、睡眠の乱れから予測可能。
5. Withings ScanWatch
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いびき検出:△(直接検出なし)
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連携アプリ:Health Mate
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特徴:医療機器グレードの精密データが強み。SpO2(酸素飽和度)のモニタリングにより、無呼吸の兆候を検出可能。いびきと関連する呼吸障害の確認に役立つ。
これらのスマートウォッチは、それぞれ特長が異なります。録音して確認したい人にはGalaxy Watch、心拍や呼吸から予測したい人にはFitbitやHuawei、iPhoneユーザーにはApple Watch+外部アプリの組み合わせが特におすすめです。
スマートウォッチでいびき測定するメリットと限界
スマートウォッチによるいびき測定は、専門的な医療機器と比較すると精度では劣る部分もありますが、日常的に・手軽に・継続的にいびきをチェックできるという点で大きな魅力があります。ここでは、そのメリットと**限界(デメリット)**を整理してみましょう。
スマートウォッチでいびきを測るメリット
1. 手軽に毎晩の記録ができる
一度設定すれば、毎晩自動的に記録されるため、無理なく習慣化できるのが最大の利点。いびきの変化も日別・週別で振り返ることができます。
2. 睡眠全体の質もチェックできる
いびきだけでなく、睡眠時間・睡眠ステージ(深い睡眠、浅い睡眠、REMなど)・心拍変動・呼吸の乱れなどもまとめて記録できる点が、スマートウォッチならではの強みです。
3. 外部アプリとの連携で音声記録も可能
Galaxy WatchやApple Watch(+iPhone)などは、マイク連動により実際のいびき音を録音して保存することも可能です。パートナーに確認してもらう材料としても役立ちます。
4. 健康管理の第一歩として最適
本格的な検査に踏み出す前に、「まずは自分の状態を知る」ことができるため、睡眠時無呼吸症候群などの兆候を早期に発見するヒントになります。
スマートウォッチでいびきを測る限界・注意点
1. 測定精度は医療機器に劣る
いびきの「有無」や「音の強さ」は測れても、医学的な診断ができる精度ではない点には注意が必要です。正確な診断が必要な場合は、医療機関での検査が必須です。
2. 環境によって誤検知の可能性あり
隣で寝ている人のいびきや、空調音・ペットの鳴き声などを誤っていびきと記録することもあるため、完全に信頼するには限界があります。
3. アプリ設定やスマホ連携がやや複雑
初期設定や連携アプリのインストール・通知管理などがやや面倒に感じる人もいます。慣れるまでに時間がかかるケースも。
このように、「病院に行くほどではないけれど、気になる…」という人には最適な選択肢と言えるスマートウォッチ。ただし、測定結果はあくまで目安として捉えるのがポイントです。
スマートウォッチ以外のおすすめいびき測定方法
スマートウォッチはいびきの傾向を手軽に知るツールとして非常に便利ですが、「もっと正確に測りたい」「スマートウォッチを持っていない」という方には、他の選択肢もあります。ここでは、スマートウォッチ以外でいびきを測定する代表的な方法を3つ紹介します。
1. スマホアプリ単体でのいびき測定
スマホアプリだけでもいびきを検出・記録することは可能です。代表的なアプリは以下の通り:
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SnoreLab
いびきの音を自動録音し、音量・頻度をスコア化。比較グラフで睡眠改善の効果も確認できます。 -
Sleep Cycle
アラーム機能と連動して、いびき音の分析や睡眠の深さをグラフ化。Apple Watchとの併用も可能。
これらのアプリは無料でも基本機能を試せるため、初心者にもおすすめです。音声録音によって、「本当に自分がいびきをかいているのか」を確認するのに最適です。
2. 医療機関の簡易検査・PSG(ポリソムノグラフィー)
より本格的な検査を希望する場合は、睡眠外来や耳鼻咽喉科で行われる検査がおすすめです。
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簡易検査(在宅対応可)
センサー付きの機器を自宅で装着して眠るだけで、呼吸停止・血中酸素・心拍などを記録。 -
PSG検査(精密検査)
専門施設で一泊し、脳波・眼球運動・筋電図なども含めた全身的な睡眠分析を行う。
特に「睡眠時無呼吸症候群が疑われる」「日中に強い眠気や疲労感がある」人は、医療機関での検査が推奨されます。
3. いびき検知センサー・いびき枕との併用
最近では、いびきを軽減するための専用の枕やセンサー機器も多数登場しています。
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いびきセンサー搭載枕:いびき音を感知すると自動で角度を変え、気道を広げる
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ベッドセンサー型デバイス:マットレス下に設置し、呼吸・体動・いびきを検知
これらはスマホやスマートウォッチと連携するものも多く、多角的なモニタリングが可能になります。
日々のセルフチェックにはスマートウォッチやアプリが便利ですが、「心配な症状がある」「治療も検討したい」という方は、医師の診断と検査を組み合わせることが最も確実です。
まとめ:まずは気軽にチェック!いびきと睡眠の可視化から始めよう
いびきは、多くの人が抱える悩みのひとつです。自覚がなくても、睡眠の質を下げていたり、睡眠時無呼吸症候群などの疾患と関係していることも少なくありません。しかし、病院に行くのは少しハードルが高い…と感じてしまうのも自然なことです。
そんな中で、スマートウォッチによるいびき測定は、日常生活の中で無理なく自分の睡眠状態を可視化できる手段として非常に有効です。
特に以下のような人におすすめできます:
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いびきを家族から指摘されたことがある
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朝の目覚めが悪い、日中に眠気やだるさを感じる
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睡眠の質を改善したい
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医療機関に行く前に、自分である程度の傾向を掴みたい
スマートウォッチは、ただのガジェットではなく、健康管理のパートナーとしての役割を果たしてくれる存在です。
まずは1週間、いびきや睡眠を記録してみるだけでも、自分の身体について新たな気づきが得られるはずです。
そして、もし異常な傾向が見られたら、医療機関に相談するきっかけにすることも可能です。
いびきは、放っておくより“気づくこと”が第一歩。
あなたも今日から、スマートウォッチを活用して睡眠と健康を見直してみませんか?
参考記事
・Galaxy Watchがいびきを記録する方法(Samsung公式)
https://www.samsung.com/jp/support/mobile-devices/how-to-record-snoring-with-galaxy-watch/
・Sleep Cycle(公式サイト)
https://www.sleepcycle.com/
・SnoreLab – The No.1 Snoring App(公式)
https://www.snorelab.com/